漠然とした不安をなくし、安心してセカンドライフを楽しむには、経済面での計画が欠かせません。
前回の、「投資を始める前に~ライフプラン大切さ」では、理想のセカンドライフを実現するためには、まずは何より、ライフプランをたてることが大切!ということをお伝えしました。
いよいよ次に、ライフプラン作成の具体的な作業について、お伝えしていきます。
人生後半戦、どんな暮らしができたら幸せですか?
1.どんな暮らしをしたいか、イメージする
収入が少なくなるリタイア後、節約や生活のダウンサイジングが必要なのは確かです。
それはとても大切な考え方ですが、でも、それだけではつまらない気がしませんか?
本当に望むものがわかれば、逆に余計な出費は減る、とも言われています。
好きな事、やりたい事を書き出してみましょう。
そして、それにはどれくらいのお金がかかるか、調べてみましょう。
1-1.趣味や興味の追求
ソニー生命発表の「シニアの生活意識調査2023」によると、シニア世代の楽しみは、
女性では1位「テレビ/ドラマ」(45.0%)
2位「旅行」(40.8%)
3位「グルメ」(30.4%)
4位「映画」(25.6%)
5位「子ども/孫」(25.4%)でした。
他にも、ヨガ・登山などのスポーツ、音楽・楽器、ガーデニング、パソコン・インターネット、ハンドメイド、料理、ペットなどがあげられています。
私は、40代後半になってから、登山を始めましたよ。友人と行くのがとても楽しいので、体力を落とさないようにと、日々の意識が変わりました。友人やパートナーと一緒に始める、というのも、一人でやるよりモチベーションがあがって、とてもお勧めです。
ちなみに、登山デビューにかかる費用は、登山靴・レインウェア・バックパック等で、ブランドにもよりますが5~10万円くらいです。その後徐々に欲しい道具やウェアを買い足していった感じです。山を登る費用自体はほとんどタダですね!
やりたい趣味について、初期費用や月々かかる費用の目安を調べてみましょう。
1-2.学び直しやスキルアップ
新しいスキルの習得など、娯楽や趣味の域を出て生かしていくこともまだまだできるかもしれません。
「パーソナル総合研究所」の調査によると、6割以上のシニアが、「学びなおしは必要」と考えており、そして「学びなおしは将来のキャリアに役立つと思う。」と回答しています。
内容は、語学、IT、資産形成・資産運用、介護などがあげられています。
学習に時間と費用がかかるものもあるため、興味のあるものは調べてみましょう。
1-3.旅行
旅行は、老後したいことの定番です。行きたいところの情報を、パンフレットやインターネットで調べてだいたいの予算を立ててみましょう。
「じゅらん宿泊旅行調査2023」によると、国内旅行一回あたり、一人あたりの費用は、平均は約6万2400円でした。
海外旅行は、行先やプランによって様々でしょうから、具体的に調べてみると相場がわかり、行きたい気持ちも高まって、より現実モードになりますね。旅行は、計画段階から非常に楽しい出来事ですね。
シニアの楽しみ3位に入っている「グルメ」も同時に楽しめます。
私の理想は、娯楽と仕事を兼ねて各地に行きたい(各地の地酒が飲みたい)です。
1-4.住まい
住宅にかかるお金は高額になるため、どのくらいお金をかけるかで、その後の収支に大きく影響します。誰とどこに住みたいか、何を重視したいか、具体的に考えてみましょう。
「終の棲家」を検討する、という視点をもつことが肝要です。
持家に住み続けるなら、高齢期も暮らしやすいように、バリアフリーや安全性を考慮したリフォームが必要になるかもしれません。広すぎたり、大規模リフォームによる費用が高額になるなら、コンパクトな住宅に建て替える、または、利便性のよい場所に住み替える、という選択も出てきます。
最終的に、高齢者施設に入るとしたら、だいたいの費用も調べておくと安心ですね。
あるいは、元気なうちにシニア向けマンションに移り住むという選択もあります。
本当に、それぞれの希望や価値観が大切であり、正解はないものです。
またご家庭によって状況も異なると思うので、ご家族で話し合って早めに準備にかかることで、実現度も高まりますし、納得に繋がると思います。
1-5.子どもや孫へのお祝いや援助
学費の負担は終わったとはいえ、子どもの結婚資金を援助する方は多いようです。金額はそれぞれでしょうが、友人は100万程度かかった、と言っていました。
また、子どもの住宅取得資金の援助をするかどうかや、その金額もそれぞれの考え方です。 お祝い事なので、とても嬉しいことですが、無理のない範囲で援助してあげるのがいいですね。
2.パートナーと夢や目標を共有しよう
いろいろな希望が出てくると思いますが、家族やパートナーと望むものが違っていたら、先に進みませんよね。
長いリタイア後を過ごす大切なパートナーと、どんな生活ができたら楽しいか、幸せか、お互いの理想や価値観を知るためにコミュニケーションをとってみましょう。
こんなこと考えてたんだ、と今まで気づかなかった自分や相手の一面が見えてくるかもしれません。
そして、共通の目標や期待を確認することで、ちょっとワクワクできたり、より現実的に見えてきたりします。
3.ライフイベント表に記入していこう
さぁ、次は実際に書き込んでいく作業に入ります。
3-1.ライフイベント表とは
やりたいことや実現したいことをリストアップできたら、将来をイメージしながらライフイベント表を作っていまきす。
ライフイベント表とは、やりたいこととその費用、そしていつやるのか具体的な時期を考えて表にまとめることです。
今後のイベントやお金のかかる時期が一目でわかるようになります。
もちろん計画どおりに行かなくてもOK、また途中で状況が変わったり、望むものが変わったりしてもOK。その時また修正すればいいのです。
大切なのは目に見える形にすること。ライフイベント表を作るメリットは、イメージが具体化していくことなのです。
3-2ライフイベント表の記入例
西暦 | 本人 | 家族 | イベント | かかるお金 |
---|---|---|---|---|
2024 | 56 | 55 | ||
2025 | 57 | 56 | 国内旅行 | 20万円 |
2025 | 58 | 57 | ||
2027 | 59 | 58 | ||
2028 | 60 | 59 | 住宅ローン 完済 | |
2029 | 61 | 60 | ||
2030 | 62 | 61 | 住宅ローン リフォーム | 350万円 |
2031 | 63 | 62 | 長男結婚 | 100万円援助 |
2032 | 64 | 63 | ||
2033 | 65 | 64 | 定年 海外旅行 | 80万円 |
ライフイベント表を無料でダウンロードすることもできます。日本FP協会で提供しているものは、シンプルで使いやすいです。
ぜひ、将来の暮らしのイメージを、目に見える形にしてみてくださいね。
次回は、次のステップ、「今すぐチェック!家計の現状把握~ライフプラン③」に進みます